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ロシア フードビジネス

現地ロシアからお届けするロシア飲食事情の今

食べる現代美術、ロシア発モダンアートレストラン

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「現代アートとレストランの融合」というコンセプトで先週オープンしたEat and Artにお邪魔しました。

店舗はオープンキッチンと、それぞれスタイルの全く異なる4つのホール(フラワー、アジアンゴールデン、ウルトラマリン、トロピカル)で構成されています。レストランはギャラリーも兼ねており、インテリアとして店を飾る若いアーティストの作品は購入することもできます。

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料理はヨーロピアンミックスで、インテリアに負けず劣らず独創的な見た目が目を引きます。、焼きうどんには薄ピンクのソース、デザートのMOMAケーキはピエト・モンドリアンの絵画作品に似せている等、見た目に非常に凝っています。非常にフォトジェニックなレストランです。

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青マダラとグリーンシュリンプのサラダ 570ルーブル

 

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チキンうどん 240ルーブル

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MOMA 480ルーブル

料理の味の方は正直、、、でしたが、インテリアや料理の見栄え等に関しては大変勉強になりました。

Eat and Art

住所:Kadetskaya lin. VO, 25,
営業時間:12時から24時

ロシアではアジアンミックス料理がトレンド

 

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ロシアでは最近、シンガポールのホテルやレストランで出されるようなアジアンフュージョン料理がトレンドの一つとして注目されています。Wong Kar Wineはまさしくその典型のようなレストランで、豆腐ステーキのクリームチーズソース添え、パクチーが添えられたマグロのたたき、フォーやビビンバ、トムヤンクン、そしてもちろんラーメン(ぽいもの)などが、豊富にそろえられたワインと共に楽しめます。

ハイエンドレストランにもアジアンフュージョンのトレンドは波及しており、サンクトの老舗ホテル、グランドヨーロッパの"AZIA"や、フォーシーズンズの"Shintoho"もアジアンミックス料理を提供しています。ハイエンドから、上記のWong Karのようなカジュアルダイニング、さらにファストフードでも、アジアテイストを意識したメニューが取り入れらた飲食店の出店が多く、ロシアで注目すべき飲食トレンドの一つと思われます。

 

シベリアに居酒屋オープン

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http://news.ngs.ru/more/50298791/

先週、シベリアの中心都市ノボシビルスクに、居酒屋をコンセプトにしたガストロパブЖан Хуан Лу(ジャン・ファン・ル)がオープンしました。

居酒屋と言っても日本ぽいメニューはほとんど見当たらず、ブルスケッタにトムヤンクン、生春巻き、パエリヤとなんでもありです。ではなぜ居酒屋かというと、一品当たりの盛り付けを控え目にし、その代わり低価格で提供することで、多くの料理を食べてもらう、というのが日本の居酒屋のコンセプトだからだそうです。

レストランをプロデュースしたのはノボシビルスクのレストラン王、デニス・イワノフ氏です。彼は日本文化への造詣も深く、日本への渡航経験もあり、このコンセプトを思いついたのかもしれません。

ただ彼が秀逸なのは、日本の居酒屋を再現しようとはせずに、スモールポーション低価格で注文数を稼ぐ、という居酒屋のビジネスモデルを導入した点ではないでしょうか。サンクトにも日本の居酒屋をテーマにし、居酒屋っぽいメニューを出しているお店がありますが、日本と同じようなものが再現できるはずもなく、とてつもなく中途半端なことになっています。

とかく海外で日本食というと、日本の本物の味を現地でもそのまま再現する、という所にこだわりたくなりがちですが、こだわりが固執になり、中途半端なものやコストが合わないお店を作るよりは、このような形でコンセプトだけうまく取り込んでしまうのも、海外ではもしかしたらうまくフィットする場合があるのかもしれません。

サンクト最大の寿司レストランチェーンが倒産の危機

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https://www.dp.ru/a/2017/03/15/Sushi_palochki__Kompanii_ho

寿司レストランДве палочкиや、イタリア料理Марчелли'S、Biblioteka等の人気チェーン店を抱える、サンクト最大のレストラングループの一つであるFood Retail Groupが100億ルーブル近くの負債を抱え、銀行を含む複数の債権者から訴訟を起こされているようです。
経営状態を悪化させた最大の要因は海外事業の失敗で、2015年にNYタイムズスクエアに5千万ドル近く投資をして作ったレストランUrboが2年と持たずに閉店し、そこへルーブルの下落が重なり、ドル建て債務が一気に膨らんだことが致命的になったようです。
元々はロシアビジネスが不調になった際に事業を安定させるための戦略としてアメリカ進出を行ったようですが、逆に本国でのビジネスを追い詰めるような形となってしまいました。ロシアでのビジネスが順調だっただけに何とも皮肉な結果です。

ロシアでスタバのライバルと評されるカフェチェーン

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ロシアにおいて、スタバのライバルと評されるДаблби(ダブルビー)の創業者アンナ・ツファスマン氏のインタビュー記事。こちらから。

Даблбиはコーヒー豆と、それを扱うバリスタの質に徹底的にこだわり、ロシアのカフェチェーンでは珍しくフード系メニューは一切なく、コーヒー一本で勝負して多店舗展開を遂げたコーヒーチェーンです。現在、モスクワを中心にロシア国内に約50店舗を展開し、ロシアの飲食店では珍しく海外展開も果たしており、プラハ、リガ、ミンスク、トビリシ、バルセロナにも店舗を設けています。

事業を始めた当初は「コーヒーだけでは生き残れない」と周りから言われたそうですが、高品質の豆を使い技術確かなバリスタが淹れるコーヒーを150ルーブルと低価格で提供し、コーヒーだけの店舗でも消費者の心をがっちりつかんだようです。

同社は人材の育成に強いこだわりを持っており、新人は、6週間に渡る研修を経て最終試験に合格した場合にのみДаблбиのバリスタとして店舗に立つことができ、その後も毎週本部の人間が店舗のチェックに周り、少しでもスタンダードに劣るものを提供しているのが発覚した場合は、すぐに再研修に送られるそうです。

すべては「世界で一番のコーヒープロフェッショナル」になるというミッションを達成するためとのこと、今年度中に100店舗、5年以内に3000店舗を世界中に展開する目標をかかげています。

アジア地域もターゲットとしているとのことですから、今後日本への進出も考えられるかもしれません。

サンクトではカフェベーカリー市場が活況

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サンクトでは30~50平米くらいの小面積でパンやスイーツを販売し、小規模なカフェスペースを併設する、カフェベーカリー(ロシア語でмини-пекарен)が非常に多くあります。こちらの記事によると、同地においてここ2,3年ほど、手堅い需要と幅広いターゲットを狙えるという理由で、カフェベーカリー市場が伸びているそうです。 

チェーン店系の市場における同地のキープレーヤーとして注目すべきなのは”Буше”でしょう。99年に最初の店舗がサンクトに開店して以来、現在では路面店、ショッピングセンター内等に30店舗を展開しています。焼き立てのパンやスイーツ、ラテなどのホットドリンクが主力商品で、スープやパスタなどのホットミールもその場で調理して提供しています。セルフサービス方式で、客単価は600ルーブルと通常のカフェベーカリー(250から300程度)よりはかなり高めとなっていますが、中心地にある同店舗のランチタイム時は席を探すのが難しいほどです。 おしゃれで落ち着いたインテリアの店内には女性客が目立ちますが、年齢層は20代中盤から60代近くまでと非常に幅広い年齢層にリーチできています。

”Буше”を展開する、有限会社Бушеは現在、新ブランドでチーズやハムなどの加工製品を販売するデリカテッセンを展開することを発表しており、同ブランドで本年度中に10店舗を開店させる予定とのことです。

同社は現在市場において最も勢いのあるプレーヤーの一人と言ってよいでしょう。

2016年のロシア飲食業界の勝ち組はファストカジュアル

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http://restorator.chef.ru/npd2016

2015年は経済制裁と原油価格下落のダブルパンチで、食品のインフレーション率は23%近く上昇、それに対応する形でレストランの価格も30%近く上昇しました。

一方消費者の懐事情は変わらず、財布の紐が締められた結果、レストランを利用していた層が、レストランよりもお手頃で、ファストフードよりクオリティが高い食事が楽しめるファストカジュアルへと流れたようです。

会社でお手伝いさせて頂いたラーメンレストランYARUMENはファストカジュアルに分類されると思われます。ロシア飲食業界の全体的な落ち込みに関わらず、同店の16年度売上が前年比で著しく伸びたのは、このような背景も影響していたのではと思われます。

こちらの動画はファストカジュアルの成功例として記事中でも取り上げられていたOBED BUFETのものです。Ginza Projectというレストラングループが運営しており、セルフサービス形式を取り入れ、同社が運営する他の業態よりも価格を抑えつつも、料理のクオリティは維持し、さらに21時以降は全品半額にするなどして、うまく集客を行っています。