ロシア フードビジネス

現地ロシアからお届けするロシア飲食事情の今

ロシアでラーメン店は流行らない?

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ロシア第三の都市ノボシビルスクで飲食店30店舗以上を展開し、同地において圧倒的な地位を築いているデニス・イワノフ氏の発言はロシア飲食市場を読み解く示唆にあふれています。

こちらのコメルサント紙の記事はすでに2年以上前のものですが、同氏はインタビューの中でロシアでは今後日本のそば屋のようなモノレストラン(専門店)が伸びてくるはずだと発言しています。

この発言の背景には、ロシアでは専門店がほとんどなく、例えば日本食レストランでパスタやハンバーガー、トムヤンクン等が提供されていることが常態化していることがあります。これはロシアの消費者の成熟度にも関係していると思われますが、インタビューから2年経った現在もその傾向は変わりません。

日本のラーメン店と同じくほぼラーメン一本で勝負したロシア初の日系ラーメン店ヤルメンは、ロシア飲食市場のセオリーとはあえて異なる手法を取ったアンチテーゼだったわけですが、その試みはもろく敗れ去り、結局メニューを拡げることになりました。今では、一品料理もあって、お酒も飲めて、ラーメンも食べられる、NY一風堂の「ラーメンダイニング」に近いものとなっています。

今後ロシアの消費者が成熟していくにつれて日本のラーメン店のようなモノレストラン(専門店)が受け入れられていくのか、それともロシア特有の性質は変わらず何でも屋的な店が幅を利かせたままなとなるのか、そこを見誤ると痛い目を見るなあと常々思っています。